デイサービス長老大学

高齢者の皆様と共に未来をつくる。デイサービス 長老大学 のブログです。


「麦踏み」の思い出

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こんにちは。
デイサービス長老大学 代表の澤本洋介(@sawamoto482)です。
今回は介護職員の山下さんに寄稿していただいた「麦踏み」に関するお話をご紹介します。


デイサービス長老大学の山下です。
今日は、ご利用者さまからお聞きした「麦踏み」のお話を紹介いたします。

 

 高知県嶺北地方は、この秋、稲の収穫の時期を迎える頃になってから雨が続き、なかなか稲が刈れなかったのですが、ようやくあちこちで稲刈りの風景が見られるようになりました。


「昔は稲刈りが終わった後、麦を撒いたよ。」

「みんなで並んで、麦を踏んだものだ」

「麦踏みの歌を歌いながら、踏んだねえ」

「パキッと折らんように踏まんといかんので、難しいのよ」

と、皆さんで話が弾みます。

 

山下「どうして、麦を踏むんですか?」

「踏んで、株を増やして収穫量を増やすのよ」

 「昔は、米の収穫量が今ほど無かった。少なかったけんねえ。麦を混ぜんと米が足らざった(足らなかった)」

「私の家では、水が無かったから米が作れなかったので、畑で麦を作ってました。米は、離れたところに田を買って、近所の人に作ってもらって、田の借り賃に米を収めてもらっていました。」

 

山下「こんな感じですか?」(足踏みしながら前に進む)

一同大爆笑!!

「違う違う!横に踏んでいくのよ」

 

山下「こうですか?」(横に小刻みに踏み踏み)

「うーん・・・ま、そんな感じやね。ハハハ・・・」

 

麦踏みは、早春の寒い時期、1~2月頃から、三回ほど繰り返し行う作業で、大変な重労働だったそうです。

麦は引き割りにしたり、押し麦にして米に混ぜて炊いて食べたそうです。

 

 今と違って、三食ご飯を食べていた時代、家族も多く、麦を混ぜないと米だけでは賄えなかったのですね。

米も今ほど収穫量が多く無く、稲刈りが終わると麦まき・・・人も田も休まず働いて・・・と、昔の嶺北の情景を思い浮かべました。

 

山下「粉にひいては使わないんですか?」

・・・・・沈黙・・・・・

「粉にするのは小麦よ。ひいて団子にするのよ。大麦は団子にはならん」

 

山下「ええっ!そうなんですか?知らなかった・・・」

 

一同またまた大爆笑!!

 

デイサービス長老大学では、ご利用者さま(長老の皆様)のお話の聞き書きを行って
います。

私の、無知さをさらけ出しながら、今日も皆様のお話をお聞きして知識を広げさせて頂いてます。