昔遊びに詳しいFさんに鳥もちでメジロを捕まえる話を聞いてみたところ、詳しく作り方をお話してくれました。
Fさんは鳥もちで主に虫を捕まえていたそうです。
虫捕りの話しから、トンデモナイびっくり箱遊びのお話に。
-鳥もちの作り方を教えて下さい
もちの木は、ここいらには無いけんど、瀬戸川の方に行ったら川ぶちにあるねえ。
魚釣りに行ったついでにモチの木の皮を剥いできて。
全部剥いだら枯れてしまうき、下から3分の1ばあ剥いで持って帰って。
-その皮はベタベタしてるんですか?
いや全然してない。さらっとしてる。
それを池につけて、しばらく、3週間位はつけておかないかんね。
しばらく漬けておいたやつを石で細かくするのよ。
石臼のようなモノ使ったら楽じゃねえ。
そして、突き終わったものからカスを洗い流すのよ。谷川とかで。
そしたらボンドのように粘着力のあるものが残るのよ。
もちの木の他にネズギという木でも同じようなのができる。
ネズギはここいらにも沢山ある。
-鳥もちは何に使ってたんですか?
ワシらは昆虫をよお捕りよった。
トンボとか、セミ、クワガタとか。
-虫を捕まえる時はだいたい後ろから背中からペタッとくっつけるんですか?
そうそう。
-羽とかは毟れちゃうことはないですか?
トンボとかは毟れる時もあるけんど、灯油を染ませた布で拭き取ったらわりとキレイに取れた。
ちょっとベタベタ残っちゅうような時は粉を付けたらベタベタせんし。
クワガタやカブトムシは灯油を染ませたボロ布で拭きとったらええ。
トンボと違って多少手荒にしても構わんねえ。
クワガタは楓の木なんかにようおったね。
楓は樹液が凄い甘いんよ。カナダのメイプルシロップほどじゃあないけんど。
やけ、傷をつけておいといたら何日かしたら虫が集まって来る。
揺すって落としてもいいけんど、良いヤツはすぐに飛んで行くきねえ。
カブトムシなんかも揺すって落とそうとしても途中で飛んで行くんで。鳥もちを使えばわけない。
クマバチ(スズメバチ)も楓に来ちょった。
よお捕ってオモチャにしよったね(笑)
クマバチはモチでくっつけて、針はハサミで切って。
それでもクマバチは歯が偉い(強い)んで、噛み付かれたら血がでよった(笑)
-子どもの頃にスズメバチを捕ってたんですか(驚)?
そう、やったやった。
木の樹液を吸いゆう時はおとなしいんで、竹の先に鳥もちをつけてくっつけりゃあ子供でもわけない(笑)
針をハサミで切ったあとは生きたオモチャよ。胴を糸で縛ってつないで遊びよった。
-よくスズメバチを捕まえようと思いましたね。
女王バチというのが春来るのよ。それは大きいわね。特別大きいわ。それを捕りたいのよ(笑)
それは最初の頃しかウロウロしよらんのでね。巣を作る前におさえんといかん。
昔の子は遊び道具がなかったんで、いろんな虫を捕まえとったわ。ムカデとか。
-ムカデも捕まえてたんですか(驚)?
そうそう。大きいやつを。小さいやつじゃビックリせんき。
特別大きいのが6月頃におるのよ。その大きくて真っ赤なムカデを捕まえて牙だけ取って。
棒で首根っこ抑えてハサミでパチパチッと。牙を取ったらもうオモチャよ(笑)
-ムカデがオモチャですか(笑)
それをマッチ箱なんかに入れて「はい、プレゼント」って(笑)
渡したらみんな飛び上がってびっくりしよったわ(笑)
マムシも牙を除けて遊びよった。
-マムシもですか(驚)
そういう遊びは昔の子はみんなしてたんですか?Fさんだけじゃないですか(笑)?
自分だけじゃなく、まあ好きなのが2,3人やねえ。
今日は何しよう?って。
マムシでもおったら良い物見つけたって(笑)踏んづけてすぐ捕まえて。
50匹は捕まえたねえ。
マムシも牙さえハサミで取ったら全然大丈夫。まあ次の歯が生えてきたらいかんけどね。
それに、手に傷があったらいかん。傷に液がかかったら噛み付かれたのと同じやきねえ。
手に傷がなけりゃあ、もうオモチャよ(笑)
まあ箱に入れてビックリ箱よね(笑)
-嫌なビックリ箱ですね(笑)
本物やきね。大概のものは飛び逃げたわ(笑)
牙はのけちゅうき噛み付きゃあせんけんど。
スズメバチ遊びに、ムカデとマムシのびっくり箱!
Fさんのパワフルなお話に驚かされるばかりです。
昔のイタズラ小僧はよく大人から殴られていたと聞きますが、そりゃそうだろうと思いました(笑)
鳥もちでの虫捕り遊びなどは、子ども達と体験してみたいと思います。