皆さんは背蓑(せみの)という道具を使ったことはありますか?
長老大学のある高知県嶺北地域では農作業中の日よけや雨よけの道具として今でも使われています。
先日、背蓑を付けて颯爽と駆け抜けるサイクリストを見かけました。
そんな使い方もあるんですね!
むかし背蓑を作って売っていたという利用者さんからお話を聞きました。
雨で良し、日よりで良しじゃけ、よう売れた。
夜なべで毎晩編んどった。
背蓑の原料は菅(スゲ)という植物だそうです。
菅は山の奥まで行かないと無かったから泊まり込みで引きにいったとのこと。
虫を取るために菅を大鍋で茹でて、それを並べて干して乾燥させてから山糸で編む。
ひとつの背蓑を作るのに二晩かかり、作った背蓑はおジャコ(小魚)を売りに来た商人の人に売っていたそうです。
最高の笑顔です。
久しぶりに背蓑を付けて懐かしかったようで、沢山の話をお聞かせ頂きました。
こちらは背蓑を貸してくれた長老大学生活相談員の太田さん。
嶺北へ移り住んできた方で自給自足の生活に関心があるそうで、いつもビッシリと聞き書き帳をつけてくれています。
興味を持って聞き書きしていることが伝わってきて、読んでいるだけでも楽しくなります。
お陰様で利用者さんも増えてきました。
忙しくなってきて、聞き書きの時間が取りづらくなってきているのが最近の悩みです。