こんにちは、長老大学オンライン支店スタッフのあいかわです!
最近はようやく春らしくなってきたかと思いきや、却って夏の暑さのような日も増えてきてしまいましたね。じきに梅雨もやってきそうですが、つかの間の春の陽気を利用者様方とともに楽しめたらいいなと思います。
今回は、M様の聞き書きをさせていただきました。M様は、お父様が網元をやってみえたとのことで、子どものころから漁業に親しみのある生活を送られていたそうです。ご自身の趣味のひとつとしても釣りをされていたそうで、そのなかでも「ウナギ釣り」の話をしてくださいました。
M様:趣味は釣りなんかをね。高知県に帰ってきてからは、ウナギ釣りもよくした。ウナギ釣りは、夜ね、エサつけて、ハエ(延縄)にずうっとエサをつけて、10ばあつけて、そしたら5、6匹は獲れたね。縄は、途中途中でだいたいこれくらいかなあ……2尺ばあか、それくらいのあいだでずうっと(途中途中にそれぞれ長い糸を)つけて、(そのそれぞれに)針をつけてね。
ウナギを釣るのは、遠いところも行きよったね。谷みたいなところからね、いろいろ。ウナギを捌くときは、頭に釘を打ち付けておいて、ばあっと捌く。捌くのはだいたいみんなしよるよ。
調べたところ、ウナギ釣りにはいろいろな手法があるようですが、M様のお話は延縄漁(はえなわりょう)のやり方なのではないかと思いました。
<参考サイト>
・蒲焼割烹うな繁(n.d)『うなぎ雑学』
http://www.unasige.com/unagizatugaku-tennen-gyohou.html(2022/04/22)
・こちらのサイト様にも、高知県で行なわれている延縄漁について掲載されています。
四万十楽舎(n.d)『本格四万十天然ウナギはえなわ漁体験』
(2022/04/22)
また、ウナギ釣りのエサについて、M様は当時の記憶をよく覚えていらっしゃり、笑いながら教えてくださいました。
M様:ウナギを釣るエサはね、ドジョウです。それからゴリ。うちの近くには、「ドジョウ川」といってね、ドジョウがよくとれるところがあったのよ。田んぼのふちにね。泥をね、掘り上げたら、ドジョウがなかにおってね。田んぼのふちに、ドジョウがごっそりおってね。田んぼのふちを掘り上げよって、いっつも怒られよった、ハハハ。田んぼのなかにもドジョウがずっとおったよ。小さい溝におるんだ。土なんかこう、ようけあるところなんかにね、土のなかに入っちゅうね。それで、溝の土をちょっと掘って、いっつも怒られよった。「またか!」って、ハハハ。それでね、ドジョウは、3つか4つに切ってね。それをこう(針に)刺してね。
田んぼのなかにドジョウがたくさんうごめく様子と、毎回怒られながらも、それらをいっぱい捕まえて元気よく釣りに行かれるM様の姿が思い浮かび、とてもほほえましく素敵な思い出だなと感じました。
また、M様はドジョウ以外にエサとして使ったゴリという魚の話もしてくださいました。
M様:ゴリは、大きい川なんかにおるね。奈半利川とかいろいろ、そういうところにおるね。ゴリの大きさは、小さいのもおるけどね、こんな(2、3センチくらい)くらいで、小さいです。
ゴリのことは、他の方への聞き書きのなかでもたびたびお聴きするのですが、とても小さい魚だということで、いつか自分の目でも見てみたいなと思っています。
いま、天然のウナギというのはとてもめずらしいのではないかと思います。それを、普通に川でたくさん釣ることができていたというのがすごいなあと感じました。加えて、田んぼでドジョウを見たことすらないわたしには、M様の体験されてきたひとつひとつのエピソードが、日本の原風景として、とても貴重で素敵なものに感じられました。
M様、貴重なお話を聴かせてくださり、本当にありがとうございました!