こんにちは。
デイサービス長老大学 代表の澤本洋介(@sawamoto482)です。
長老大学では、2015年の開設以来、ご利用者様から「昔の暮らし・昔の仕事・今考えていること・感じていること」などとインタビューさせていただき、それを記録するという聞き書き介護を実践しています。
『驚きの介護民俗学』に衝撃を受け、はじめたものです。
聞き書き介護についてご説明すると、ご利用検討中の見学の方や、ケアマネージャーさんや、取材記者さんから「どんな効果があるんですか?」とご質問をいただくことがよくあります。特に認知症に対する改善効果をお尋ねいただくことがよくあります。
私達は、そのご質問に対しては常に「わかりません」と答えていました。
「効果あるかも?」と感じたとしても、医療に関する事柄については、個人的な印象を効果として語ってはいけないと考えるからです。
また、認知症については特に、私自身にご利用者さんに対して行う「評価」に対して抵抗感があったことも事実です。
認知症の症状、特に行動心理症状については周囲との人間関係によって引き起こされることも多いと言われています。
「評価・改善」のプロセスが必要なのはご利用者さんの側ではなく、むしろ周囲の方ではないかという思いもありました。
そもそも、楽しくてやっている聞き書きです。
私達も楽しく学べ、ご利用者さんにも楽しんでいただけています。
効果があるからやる、無いならやらないというものでもありません。
実際、効果がありそうな方もいらっしゃいますし、無さそうな方もおられます。
正直な気持ちとしても、効果はあるかもしれないけれどよくわからない。
そんないくつかの理由で、聞き書きの効用に対する評価についてはお答えはできない状態が続いていました。
ところが、昨年のことです。
過去のBlogにも書いたのですが、未知のコロナ禍への対応の中、一時聞き書きをやめました。一度やめてから、後に、オンライン聞き書きなどの工夫で再開しました。
意図していなかったことですが、中止してから再開することで、比較できてしまう状態となってしまい、あらためて感じました。
ーー個人の感想ですーー
おそらく、「聞き書き」には心身の機能の維持向上に効果あります。
おそらく、認知症の症状改善にも、効果があります。
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一度中止して、再開したことで、そのことを強く感じました。
昨年末からはコロナ禍で通所介護サービスの利用を控えておられる高齢者の皆様に向けて「長老大学オンライン支店」というあらたな事業もスタートしています。
オンサイン支店への問い合わせでも、「聞き書きの効用」「認知症への効果」に関するご質問がとても多いです。
ご本人もご家族も、コロナ禍で今まで通りの暮らしができなくなってしまう中で、認知症についても切実に悩んでおらます。
ご質問に対しても「わかりません」ではなく、できるだけ正確なことを答えたいと考えるようになりました。
もちろん、私達だけでできることではありません。
今は高知県の産学官民連携センターにお願いし、ご協力いただける機関や先生を探していただいているところです。
また進捗がありましたらBlogでもご報告させていただきます。
〈その後〉